170602
その件については、私もうる覚えで……


いやあ、まだまだそこらじゅうで見かけますね。

言うまでもなく、正しくはうろ覚え
さて、なぜそんな誤用がはびこっているのか、考えてみましたよー。

「ろ」と「る」が似ているから説

このパソコン・スマホ時代には考えられないことですが、
達筆すぎて「ろ」が「る」に見えちゃった、ってことはあり得ます。

昔の有名な書家さんとか? もしかしたらやっちゃったのかも。

「うろ」のなじみがないから説

うろには「空っぽ」という意味がありますが、
うろ覚え」以外に使うことはまずありません。

一方うるは、「売る」「得る」と、一応なじみがあるわけで。

「得る」についてはえると読むほうが優勢ではありますが、
手に入れる・理解するという意味があることからも、
得る覚え……なーんとなくそれが正解に思えちゃっても仕方がないのかなあと。

「お」と「う」がごちゃ混ぜになっちゃった説

うろ覚えは【うろ+覚え】ですから、
普通に読むと「うろーぼえ」になります。

ろの母音が「o」なので、これは当たり前のことです。

これに似ているのが「通り」を「とうり」してしまう誤用。
ちょっと違いますが、「王様」を「おおさま」としてしまうのも仲間かな。

そう、日本人って「o」と「u」、つまり「」と「」の区別が非常に苦手なんですね。


さて本題に戻りましょう。


「うろーぼえ」の正解が「うろぼえ」なのか「うろぼえ」なのか、
まずここでひとつつまずきます。

「ろお」が「ろー」になって、「ろう」になる。
最後が一番読みやすいですしね。

その後「うろうぼえ」だと思い込んじゃった人が増えていった結果、
「ろう(rou)」の「o」の発音があいまいになってしまったのが第2段階。
この時点では「うるーぼえ」でしょうか。

さらに、「この言葉って、『ちゃんと覚えていない』って意味じゃんね」と、
なまじ知識のある人が言い出して……

とうとううる覚えが誕生した、というわけです。

そうそう、時間が合ったら試しにやってみてください。
「うろうぼえ」って続けて30回くらい。

うる覚え」に変化するでしょ?

まとめ

朝、通勤時に読んでいた電子書籍のフリーペーパーで見つけた誤用です。
編集者さん、なんで気づかなかったんだろうってげんなり。

しかもその方、近々出版するらしいんですが……大丈夫なのかしら。

読んでほしいわあ。

Amazonサイトにとびますよー

あ、そうそう。
一応を「いちよう」って書いちゃう若い子が増えています。

こちらも近いうちに考察してみますのでお楽しみに。